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第7回 新型インフルエンザは早期受診を -低所得者に費用補助- (2009年10月15日陸奥新報掲載) 新型インフルエンザは全国的に流行期に入り、県内でも集団発生が毎日報告されています。ワクチン接種も始まりますが、新型インフルエンザで医療機関を受診する人は今後も増えると予測されます。新型インフルエンザは誰でもかかる病気であり、子供からお年寄りまで、経済的に余裕のある人もない人も、全国民を対象にした対策が必要です。

 日本感染症学会は9月15日に出した緊急提言で、死亡例を減らすためには「早期受診、早期診断、早期治療開始が重要で、受診制限はするべきではない」と強調しています。新型インフルエンザかな? と思ったら、ためらわずに、かかりつけ医療機関を受診してください。

 今回は新型インフルエンザに関連して、所得が少ない世帯に対する医療費負担の軽減制度を紹介します。

◇国保滞納世帯も通常負担に
  これまで、国民健康保険料を滞納している世帯には保険証の代わりに資格証明書が交付され、医療機関の窓口では掛かった医療費の全額(10割)を払うことになっていたため、経済的な理由で受診を控える人が多く、重症になってから医療機関を訪れることが問題になっていました。

 そこで今年5月に厚生労働省から通知が出され、資格証明書が発行されている人でも、発熱外来を受診した時には普通の保険証と同じ窓口負担になりました。さらに9月には「医療を受ける必要がある人は資格証明書交付の対象ではない」との通知も出ました。

 これを受け、青森市と五所川原市は今年10月から資格証明書の発行を中止しましたが、他の市町村ではまだ対応が遅れています。

 弘前市では、「新型インフルエンザにかかわる受診」で資格証明書を持って受診した際は、「通常証として取り扱う」ことを本人と市内の医療機関に通知しましたが、合併症やインフルエンザ以外の治療費の負担割合をどのように扱うかなど、あいまいな点が多いままになっています。

◇中学生以下には短期保険証
 県保険医協会は県に対し、「資格証明書の発行停止」を市町村に指導するよう要請しました。同時に市町村に対しては、短期保険証の発行が終わるまでは対象者に「資格証明書は保険証と同じに扱われる」ことを通知するよう要請しています。

 また今年4月から、中学生以下には資格証明書ではなく、短期保険証が発行されています。しかし資格証明書が交付されている世帯では、窓口負担を考えると短期保険証でも受診が難しいのが現実です。インフルエンザまん延期間に限っては、受診時の窓口負担を0円とすることも必要かもしれません。

◇ワクチン接種の負担軽減も
 ワクチン接種の目的は感染防止ではなく、重症化の防止ですが、接種スケジュールが決まりました。11月からは基礎疾患を持った最優先の人、12月からは幼児、小学校低学年の接種が始まります。費用は全国一律で、2回の接種で6150円となっています。

 所得の少ない世帯について、国は人口の3割に当たる市町村民税非課税世帯の負担を軽減できる財源を用意しています。具体的な内容は今後市町村で決められますので、お住まいの市町村にお確かめください。

重症化リスクの高い人は早期受診


青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会副会長、県社会保障推進協議会会長
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