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第12回 朝令暮改の診療報酬改定 全員に明細書を発行 (2010年3月18日陸奥新報掲載) 4月から診療所の再診料が71点から69点(710円→690円)になることは前回説明しましたが、そのほかにもいくつか変更があります。

◇診療内容を明示
 診療所によっても対応が異なりますが、診療報酬明細書がIT化されている診療所では、初診料にプラスされていた電子化加算3点がなくなり、再診料も明細書発行体制等加算1点が新設されます。

 診療報酬明細書とは、金額の書かれた領収書とは別に、患者が受けた診療内容が詳しく書かれた明細書のことです。全員に発行されることになります。

 今までも電子化加算を算定している診療所では、患者さんの希望により明細書を渡すことになっていましたが、4月からは明細書の発行が義務化され、明細書にはがんの検査や治療内容も記載されますので混乱も予想されます。

 家族の希望で本人にがんの告知をしていない場合などは「明細書の交付により、療養の継続に支障が生じると判断される場合や患者に精神的な損害が生じると判断される場合には、明細書を交付する義務はない」となっているので、あらかじめ家族で相談しておくとよいでしょう。

 明細書を必要としない人には、最初から発行しないこともできますが、加算の1点が減ることはありません。明細書発行体制等加算1点は患者全員の再診料に加算されることになっています。

診療明細書


◇処置なしでも負担増
 明細書発行によって診療報酬体系の矛盾が明らかになります。その一つに外来管理加算と処置という点数があります。

 外来管理加算(52点)は密度の濃い診療を受けた場合に対象になりますが、同日に併せて消炎鎮痛処置(35点)を受けると処置の点数が優先になります。消炎鎮痛処置を受けると35点になり、処置を受けない場合は外来管理加算の52点になるという、おかしな体系になっています。

 今回の改訂で外来管理加算も見直され、時間要件の「5分ルール」は廃止されましたが、説明できないルールはそのままになっています。

◇複雑な報酬体系
 長年にわたって繰り返されてきた2年に1度の診療報酬改定で、体系自体が接ぎ木に接ぎ木を重ねた状態になっています。おかしなルールができたと思ったら、次にまたマイナーチェンジされていることが多く、説明が難しい仕組みがたくさん残っています。

 これらの改定に関し、患者さんが相談する窓口として、どこに電話をしたらよいのか厚生労働省保険局医療課に尋ねました。厚労省には全国からたくさんの電話がかかってくるので、仙台市の東北厚生局医療課に聞くように、仙台市に電話すると青森市の東北厚生局青森事務所に聞くようにと案内されました。

 青森事務所に電話してみると、患者さんへの制度の説明は難しいとのことでした。
現状では忙しい医療現場で、矛盾した制度を説明せざるを得ない状況になりそうです。

 ご質問やご意見は、県保険医協会(ファクス017―774―1326)までご相談ください。

青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長
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