医療・福祉制度ナビ -知っておきたい最新情報-
第13回 「地域医療貢献加算」とは -再診料に3点を算定- (2010年4月15日陸奥新報掲載) 4月からの診療報酬改定で再診料が69点(690円)になったほか、新たに地域医療貢献加算が設けられました。届けを出した診療所はすべての再診患者に対し24時間365日体制で対応することが求められ、再診料に加えて3点を算定することになります。

◇勤務医の負担軽減へ
 地域医療貢献加算は、休日、夜間救急を行っている病院勤務医の負担を減らすのが目的の制度です。診療時間終了後に、いつもと違う症状があって受診すべきかどうか迷った時に、患者さんが電話で問い合わせすることができます。

 また受診するほどでもないが、どうしたらよいか分からない時に電話をしてもよいでしょう。

◇電話を掛けなくても加算
 届けを出した診療所では、診療時間外にも患者の問い合わせに応じる体制を整えます。届け出ない診療所では地域医療貢献加算はありません。

 届け出た診療所では、院内掲示や診察券への記入などで、すべての通院患者に連絡先電話番号を知らせる必要があります。そのため電話相談した人だけでなく、再診した患者全員に3点が加算されることになっています。初診には加算されません。

◇原則24時間対応
 電話対応の時間は「原則24時間」ですが、スタート直前の3月29日に厚生労働省は「対応すべき時間は平日夜間の数時間になる」とし、休日と深夜は留守番電話で対応してもよいことになりました。しかし夜間とは具体的に何時から何時を指すのか—まだ厚労省は明確に示していません。

 今までも、開業医は夜間休日診療所での診療や、休日夜間当番医制度で地域医療に貢献してきました。またインフルエンザなどの予防接種や、学校保健、介護保険、自立支援関連の仕事なども分担して行ってきました。

 本制度では開業医のスタンバイ時間が週に20時間以上増えます。今以上に仕事量を増やすことは、高齢化が進んでいる開業医にとって過労死という最悪な事態を招きかねません。

 また勤務医の負担軽減についても未知数です。開業医を含めた深刻な医師不足により、夜間対応ができない精神科などの診療科もあると予想されています。さらにルールが混乱していることを理由に、電話対応をやめる医療機関もあり、勤務医の負担が軽減される保証はありません。

地域医療貢献加算 電話対応の仕組み


◇地域医療再生のためには

 地域医療貢献加算は、逆に医療現場の混乱を引き起こすのではないかと懸念されています。

 医師不足が深刻な本県では、勤務医と開業医、そして市民が協力し合って本県版夜間・休日診療システムを作り上げ、医療崩壊に歯止めを掛けることが必要です。

 厚労省は全国一律のマニュアルを作らず、現場の声を聞きながら地域の実情に即した制度で支援すべきだと考えています。

  ご質問やご意見は、県保険医協会(ファクス017—774—1326)までお寄せください。

青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長
※この記事は、当該ページに限って陸奥新報社が記事利用を許諾したものです。転載ならびにこのページへのリンクは固くお断りします。

問い合わせ
〒030-0813 青森市松原1丁目2-12 青森県保険医会館内
TEL.:017-722-5483 FAX:017-774-1326
MAIL:a-hoikyo@ahk.gr.jp
事務局までの交通アクセス(地図)



TOP 青森県保険医協会 企画 資料 リンク 出版物 会員ページ