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第22回 保険料や医療費が支払えない・・・ (2011年1月20日陸奥新報掲載)

 減免制度など活用

 医療保険料や医療費が払えない―経済的な理由で受診を控えていませんか? 制度を利用すると、それらの費用が減免される場合があります。必要な医療を受けるためにも、活用してみてはどうでしょうか。

 ▽受診控え全国で4割
 全国の保険医協会が2010年、1万近い医療機関を調査した結果、39%の施設が「主に患者の経済的理由から治療を中断、または中止する事例があった」と回答しました。施設別だと、歯科診療所が51%、医科診療所は34%、病院は23%でした。

 一方、本県では医科診療所で41%、歯科は7割近い69%と、全国平均と比べても高い受診抑制が認められ、経済的な理由から必要な受診を我慢している人が多いことが明らかになりました。




 ▽滞納で10割負担に
 さらに国民健康保険(国保)では、災害などの特別な事情もなく保険料を1年間滞納(老人保健法の対象者らを除く)していると、保険者証の返還が求められ、国保資格書明書(資格書)が交付されます。交付された患者が医療機関を受診すると、医療費の全額(10割)を窓口で支払うことになります。後日、支払った金額の7割を請求できますが、返金されるのは早くても2カ月後。さらに滞納が1年半以上続いていると、滞納分を差し引かれることがあります。

 08年6月1日現在の本県の滞納世帯数は5万6728(全世帯の21・5%)で、資格書は1・6%の4162世帯に交付されています。全国の保険医協会の調査によると、資格書を交付された被保険者の受診率は、一般被保険者の53分の1と大きな開きがありました。

 医療保険料が払えなかったり、医療機関を受診しても窓口での支払いができない時はどうすればいいのでしょう。

 国保料の給付が困難な時に利用できる制度に1.保険料の軽減制度(世帯所得が基準に満たない場合)2.特例対象被保険者等に係る軽減制度(解雇や倒産などで離職した場合)3.国保法77条による保険料の減免制度(災害、その他の特別の理由により、納付が著しく困難になった場合)―などがあります。

 また窓口負担が困難な場合には「国保法第44条を活用した窓口負担減額・免除」と「無料低額診療」があり、前者は特別な理由がある被保険者が申請すると受診料の減額や免除、徴収猶予が受けられます。

 ▽県内では8市町村
 ただし自治体が独自に基準を定めて実施するため、本県では08年度現在、青森市、黒石市、田舎館村など8市町村だけで行われています。県社会保障推進協議会は、ほかの市町村に対して実施を要請したり、県にも技術的な助言、財政援助をするよう求めています。

 後者の「無料低額診療」は医療機関の負担で受診料を減免する制度です。県内では津軽、青森保健生活協同組合、八戸医療生活協同組合の3組合が運営する4病院、9診療所で利用できます。

 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は憲法で保障された基本的人権です。命に関わる状態でも保険料や医療費が払えないため受診せず、亡くなる人が増えています。身近な人に必要な情報を届けていきましょう。こんな時代だからこそ「おせっかい」が必要だと考えています。

 ご質問やご意見は、県保険医協会(電話017―722―5483、ファックス017―774―1326)までお寄せください。

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
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