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第25回 被災者に必要な医療、介護とは (2011年4月21日陸奥新報掲載)

 —無料で利用が可能—

 

 3月11日に発生した東日本大震災と津波で多くの方が被災しました。今回は被災した人たちに役立つ医療、介護情報をまとめてみました。

 

 【保険証(被保険者証)】

 被災者の方は保険証(被保険者証)がなくても、「氏名」と「生年月日」を伝えると保険診療が受けられます。協会けんぽでは「事業所名」、国民健康保険と後期高齢者の方は「住所」を伝えればよく、「罹災証明書」は必要ありません。

 介護保険も同様に被保険者証がなくても、市町村窓口へ申し出ることでサービスを受けることができます。資格認定は、利用者からの聞き取りで認定してよいと通知されています。しかし実際にケアプランを立てサービスを提供する時に、被災前の情報が確認できるとは限らないので、混乱する可能性はあります。

 

 【医療費、介護利用料】

 被災地域の方で以下の1~6のいずれかに該当する方は、医療費の窓口一部負担金、介護の利用料金がいずれも無料になります。

1.住宅が全半壊、全半焼またはこれに準ずる被災
2.主たる生計維持者が死亡したり、重篤な傷病を負った
3.主たる生計維持者が行方不明
4.主たる生計維持者が業務を廃止・休止した
5.主たる生計維持者が失職し、現在収入がない
6.福島第1、第2原発の事故に伴い政府の避難指示・屋内退避指示の対象となっている(福島第1原発から半径30キロ圏内)。

 無料化は被災県だけでなく、避難先でも適用になります。

 

 【薬】
 被災地の患者が主治医と連絡が取れなくても、遠方の医療機関や薬局から薬をもらうこともできます。医師に電話(本人が電話できない場合は家族らでも可能)をして薬を処方してもらえます。さらにやむを得ない時は、薬局に処方せんをファクスし、薬を郵送してもらうこともできます。

 

 【介護サービス】
  今まで通り受けることができます。避難所でも、他の市町村に避難していても、自宅で受けていたホームヘルプなどの介護サービスが避難先の旅館やホテルで受けられます。避難後、新たに介護が必要になっても認定を申請すれば新しいサービスを受けられますし、有効期限が過ぎても引き続き利用できます。

 

 【生活費】
 国民年金、厚生年金は4月15日に指定の口座に通常通り振り込まれています。さらに当座の生活費の借入を希望する人は、無利子の「緊急小口資金」貸付を避難先の社会福祉協議会にて申し込めます。

 

 【本県の受け入れ】
 県内でも避難者をホテルや旅館で受け入れる事業が始まっています。3食付きで30泊まで無料で宿泊できます。同じところに連続して宿泊する必要はなく週末だけ温泉地に滞在するのも可能です。本県に避難した時も、医療や介護のサービスを無料で受けることができます。特に妊婦、乳幼児への支援をするために県に専用の窓口(健康福祉部こどもみらい課家庭支援グループ、電話 017―734―9303)が設けられています。

◇  ◇

 国は避難事業として「予備費301億円」を充て、他の自治体の積極的な救助を要請しています。被災地の復興のために、個人やそれぞれの組織が「できる支援」をつなぎ合わせることが必要だと考えています。


写真:すべての医療機関と役場が流失した岩手県大槌町(2011年4月3日撮影)


(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
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