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第28回 要介護→要支援~介護認定変更で困っていませんか (2011年7月21日陸奥新報掲載)

 行動把握し再申請を

 

 介護認定で「要介護」だった人が「要支援」と認定されて困っているという相談を多く受けます。そこで今回は制度の仕組みとその対応について考えてみます。

 

 ▽要介護1認定者が激減

 介護認定は訪問調査結果をもとにコンピューターで一次判定され、その後、認定審査会で一次判定結果と医師の意見書をもとに認定されます。しかし2006年4月から、判定ソフトが変更されたことで介護保険認定者数が大きく変わりました。それまでの増加率が大きく抑制され、要介護1と認定された人が著しく減少したことが分かります=図参照。これは同じ状態でも要介護から要支援になった人が増えたことを意味します。

 要介護1と要支援2の状態の違いは「中重程度の認知症の症状」の有無、「病状」の安定・不安定によって認定されます。認知症の症状の把握は困難なため、症状がないと判断されると要支援に変更される場合があります。

 弘前市をはじめ各自治体は、訪問調査時に家族が同席することを勧めています。本 人の日頃の状態を調査員に話してもらうためです。また東京都板橋区では介護保険申請時に家族の同席を求め、調査が可能な日時のアンケートをしています。

 

 

 ▽認知症早期発見には

 認知症の症状を家族が早く気付けるよう、いくつかチェックポイントが紹介されています。

 薬の管理ができているか。袋に残っている薬の数を数えてみてください。指示通り 飲めているか。飲み忘れがあって一部の薬の数が多くなっていないか。逆に飲み過ぎて足りない薬がないかなどを確認し、調査時に薬の数が合っていないことを伝えるとよいでしょう。

 簡単な会話は大丈夫でも、込み入った話になるとついていけなくなる場合もあります。本人は昔のことを覚えていても最近の出来事は忘れてしまうため、家族は日常の失敗談や行動も伝えましょう。

 認知症の判断にと広島県尾道市医師会は、時計の文字盤に「10時10分」を書き込んでもらうテストを勧めています。他にテレビ番組で有名になった手でハトの影絵を作るテストもあります。認知症の人はキツネの影絵はできますがハトを作ることができないといわれています。

 要介護と認定されていた人が、状態は変わっていないのに、更新時に要支援になった時はどうしたらいいのでしょうか?

 「実情と一致していないと思われる場合」は再申請と区分変更の申請が可能です。 区分変更申請は有効期間終了前であっても、本人、家族、ケアマネジャーが申請できます。申請書には理由を書く欄があるので、「実情は要介護状態と考えられるため」と記入して提出します。同時に「意見書」を記入する主治医にも日常の失敗談など、本人の情報を細かく伝えておくことが重要です。

 弘前市の場合、審査結果が出るまでに1カ月半ほどかかるため、有効期間が過ぎてしまうことがあります。区分変更を申請した結果が要介護になった時は、さかのぼって要介護のサービスを受けることができます。しかし要支援となった時は、その間に受けた要介護のサービスは自己負担することになります。

 一方、介護保険該当者で障害者手帳を持っている人は、介護保険の申請と同時に障害者自立支援法の利用申請もできます。市町村が実施する地域生活支援事業には、円滑に外出できるよう「移動支援」がありますので、各自治体の窓口で相談し、利用するのもいいでしょう。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)

 

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