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第36回 来月から診療報酬改定 医療費は? -窓口負担増える人も (2012年3月15日陸奥新報掲載)

 4月1日から同時に改定される診療報酬と介護報酬について2回にわたり解説します。

 診療報酬とは、公的医療保険を使って病院などにかかった時の医療行為の価格です。今回の改定を全体で見ると、薬の値段が5500億円減になりますが、診療報報酬が医科で4700億円引き上げられます。

 勤務医の負担軽減に1200億円、医療と介護の連携・在宅医療の充実に1500億円、がん治療・認知症治療など医療技術進歩の促進と導入に2000億円がそれぞれ充てられます。特に多くの人に影響しそうな項目を抜き出してみます。

 

 ■再診料

 内科を受診した同じ日に眼科―と同じ病院で複数の診療科を受診した場合、再診料(690円)は1カ所目だけ払えばよかったのですが、4月からは、2カ所目で340円が請求されます。3カ所目以降はかかりません。

 ただ、糖尿病で内科、糖尿病性網膜症で眼科を受診する場合などは「関連のある疾病」として算定されないという複雑な部分がありますので、不明な点は病院の窓口で確認してください。

 

 ■時間外対応加算

 時間外でも電話で対応していると届け出た診療所で、患者全員にかかっていた地域医療貢献加算(30円)を、「時間外対応加算」と名称を分かりやすく変え、対応する時間帯ごとに3区分化=表参照=します。

 時間外対応加算を届け出た本県の診療所は県全体の10%程度。全国平均23%とくらべて大幅に低くなっています。




 ■在宅医療

 在宅療養支援診療所や病院が在宅医療充実策を強化した場合、往診料などが引き上げられます。12年1月1日現在、本県には該当する81診療所、2病院がありますが、機能強化の条件として「常勤医3人以上」などと設けたため、医師不足が叫ばれる本県は影響が少ないと予想されます。

 

 ■リハビリ

 一時は凍結されていたリハビリテーションの日数制限が“復活”しました。これについて多田富雄東京大学名誉教授が生前、「リハビリ中止は死の宣告」と反対の意を訴えていましたが、教授が危惧していた通りになってしまいました。

 さらに2年後の改定でリハビリは介護へ強制的に移されることが明記されました。県保険医協会では、多田名誉教授の遺志を引き継ぎ「必要なリハビリが医療で受けられる」ことが必要だと考えています。

 

 ■高額療養費

 高額療養費制度とは、1カ月に高額な医療費や介護費がかかり、所得に応じて決められた限度額を超えて窓口負担した場合、超えた分が後日戻ってくる制度です。現在、入院の場合は、限度額までの負担で済みますが、外来はいったん限度額を超えて支払うことになっています。4月からは外来も入院と同じように限度額までの負担で医療が受けられるように変更されます。

 ただ、70歳未満の人と、70歳以上で非課税世帯などの人は、市町村や健康保険組合などに「認定証(限度額適応認定証)」を交付してもらい、医療機関の窓口で提示する必要があります=表参照。

 また、複数の医療機関、薬代や介護費、さらに世帯で費用を合算する時は、今まで通り後日払い戻されます。



 診療報酬は改定のたびに仕組みが複雑になり、難解になるばかりです。診療回数や受診する診療科が多い人は、4月から窓口負担が増えることになります。質問は県保険医協会までファックス(017―774―1326)でお寄せください。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
=第3木曜日掲載=

 

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