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第37回 介護報酬も今月から改定 -医療との連携に重点- (2012年4月19日陸奥新報掲載)

 2012年度の医療と介護の同時報酬改定ではお互いの連携を重要視する改定が行われました。今回は介護サービスの値段ともいえる「介護報酬」(患者負担は1割)について解説します。

 

 ■新サービス(24時間対応で施設から在宅へ)

 在宅医療の診療報酬と同様、介護でも訪問看護の単位(介護保険サービスの利用料の単価)が引き上げられました。同時に、医療と介護の連携の強化として「24時間対応定期巡回・随時対応サービス」が創設されました。(5日付け本紙「知って安心!介護保険」で紹介)

 これは在宅療養支援診療所をはじめとする地域の医療機関、訪問看護と介護の連携が前提となっており、地域密着型サービスとして市町村主体で整備します。

 救急車が出動できないなど雪国ならではの問題を抱えながら、在宅医療を担う医師や看護師が圧倒的に不足している本県では、実現はかなり困難だと考えられています。

 

 ■居宅介護支援(ケアプラン作成)

 基本報酬はそのままですが、「医療と介護の連携」には加算の見直しがありました。また、地域包括支援センターが介護予防ケアプラン作成を委託できる件数の上限8件が撤廃されました。

 介護認定ソフトの変更で要介護から要支援に介護度が変わり、ケアマネジャーも変更になって混乱していた「行ったり来たり問題」が少し改善される可能性があります。

 

 ■時間区分と単価の見直し(時間短縮への誘導)

 訪問 介護、訪問看護の時間区分が短縮され、加算報酬が減りました。

 例えば「身体介護に引き続き生活援助」を60分以上受ける場合、これまでは166単位(1660円相当)でしたが、4月からは45分以上で140単位(1400円相当)と26単位減ることになりました。これまで90分以上、上限249単位だった場合も39単位減って70分以上、上限210単位とマイナス改定となりました=図参照。

 これはサービス時間の短縮を誘導する改定です。事業者が利益を維持するためにサービス時間を削らなければならず、できなければ収入が約16% 減ることになります。現場では混乱が続きそうです。

 

 

 ■介護職員の処遇

 09年度にスタートした介護職員処遇改善交付金制度に代わり、4月から「介護職員処遇改善加算」が創設されました。国の“財布”から支払われていたものを、介護保険料でまかなうことになります。14年度末で廃止され、15年度からは各サービスの基本報酬に包括化されることになっています。

 加算は、1カ月当たりの総単位数にサービス別加算率をかけて単位数で算定します。

 例えば訪問介護の加算率は4%、通所介護では1・9%になり、利用者も同様の負担増になりました。ただ、この加算は、区分支給限度基準額(1カ月に利用できるサービスの限度額)からは除外されることになっています。

 この加算を算定するには、「処遇改善計画書」や職員の資格や能力、勤続年数などに応じて、処遇アップを図る「キャリアパス要件」などを作成して届け出ることが事業所に義務付けられましたが、実務が煩雑になると指摘されています。

 

 ■地域で暮らせない

 目玉の新サービスがいくつか作られましたが、「都会のモデルを参考にした改定では地方の介護は支えられない」「希望が見えていた介護保険が変質してしまった」というあせりと疲労の声が、利用者、事業者の双方から挙がっています。

 

 質問は県保険医協会までファクス(017―774―1326)でお寄せください。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
=第3木曜日掲載=

 

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