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第44回 避難住民のインフルエンザ予防 -特例法で接種可能に- (2012年11月15日陸奥新報掲載)

 東日本大震災で福島県から青森県に避難している人の数は10月4日現在、577人と発表され、弘前市には37世帯、90人が避難しています。今回は避難されている方々に役立つ予防接種情報をまとめてみました。医療関係者にも理解を深めていただけることを期待しています。

 

 ▽予防接種

 予防接種法に基づく接種(定期接種)には、小児のはしかやポリオなどの予防接種と、高齢者のインフルエンザ予防接種の2種類があります。「原発避難者特例法」により、指定市町村から住民票を移さずに避難している方々は、避難先市町村で予防接種を受けることが可能になりました。

 ただ、事前に「避難者住民登録」をしていることが必要ですので、登録が不明な場合や接種の手続きなどは、避難先の市町村と避難前に住んでいた市町村にお問い合わせください。特例法の指定市町村は福島県の13自治体で、いわき市、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、川内村、葛尾村、飯舘村です。

 子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン(細菌性髄膜炎の予防)、小児用肺炎球菌ワクチンの各接種(任意接種)も青森県内で受けられますが、接種費用への助成は避難前に住んでいた市町村によって対応が異なります。事前に申請すると費用が払い戻される場合もありますので、避難前に住んでいた市町村にお確かめください。

 

 ▽インフルエンザ予防接種

  「小児の場合は任意接種で、青森県では接種費用に助成がない市町村がほとんどです。が、福島県では市町村によって助成制度があり、いったん全額を医療機関に支払い、後日払い戻し(償還払い)を申請できる場合もあります。いわき市、南相馬市、広野町、楢葉町、大熊町などは、かかった費用から2000円の助成金を差し引いた金額が償還されます。接種期限は12月27日、来年1月末、2月1日と自治体ごとに異なります。償還申請期限と合わせてご確認ください。」

 高齢者の場合は▽65歳以上▽60歳以上65歳未満で、心臓や呼吸器の障害により身体障害者手帳1級に相当する人―が定期接種の対象で、希望者が接種します。

 福島県から避難している高齢者は、原発避難者特例法に基づいて避難先の住民と同様に接種を受けることができます。

 青森県内の主な自治体の状況をまとめました。医療機関へ直接支払われる助成金を除き、接種社本人が窓口で支払う自己負担額は黒石市が1600円、十和田市が1300円、弘前市など他の自治体は1000円となっています=表参照=。



 ▽償還払い

 指定市町村の中には、福島県外の医療機関でインフルエンザ予防接種をした高齢者に対し、指定市町村内で接種した場合と同額の自己負担となるよう、償還払い制度を設けています。自己負担額は自治体によってまちまちで、いわき市は1200円、南相馬市は1000円ですが、広野町、楢葉町、富岡町、浪江町などは無料です。

 償還払いは、何らかの理由があって特例法の避難者住民登録をしていない避難住民も対象としている場合があります。経済的負担が軽減される制度ですので、住民票がある市町村に実施の有無を確認することをお勧めします。小児と同様、接種期限(自治体によって12月15日~来年3月末)と、償還申請期限が一部自治体を除いて定められています。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
=第3木曜日掲載=

 

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