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第46回 初診料と再診料(下) -ルールの簡素化必要- (2013年1月17日陸奥新報掲載)

 今回は再診料を中心に解説します。

 診察時には、必ず初診料か再診料のどちらかを算定します。例えば高血圧で通院中に風邪にかかって新たに診察、治療した場合でも、初診料ではなく再診料を算定します。しかし、子どもの感染症のように治る病気の場合、完治した後、数日後に別の病気で受診すれば、同じ月内でも初診料を算定します。

 これだけなら判断は簡単ですが、ルールに次のようなただし書きがあります。「患者が任意に診療を中止し、1カ月以上経過した後、あらためて受診した場合は初診として扱う」。さらに「慢性疾患の場合は初診として取り扱わない」と例外が書かれています。

 また、労災保険や交通事故診療と健康保険診療を行ったときは、健康保険の再診料は算定しないこととされています。

 日常的にはケース・バイ・ケースで判断されますが、患者さんの理解が得られるかどうかも大きなポイントになります。いずれにしても、ルールが複雑であることを理解していただきたいと思います。

 

▽算定の例外

 以前は病院内の複数の診療科を受診しても、再診料は一度しか算定できませんでした。が、昨年から二つ目の診療科でも再診料を算定するようになりました。三つ目以後は算定できません。

 ただ、「内科で糖尿病の診察を受け、眼科で糖尿病性網膜症のために受診したときは、関連ある疾病のために眼科での再診料は算定できない」ことになっています。

 通院中にかかりつけの医師に電話で相談した場合、「電話再診」として再診料を算定します。乳幼児について相談したときには、再診料のほかに乳幼児加算も算定します。ただし、メールやファクスでの問い合わせは、耳が不自由な方以外では算定できないことになっています。

 また、症状・経過に変化なく、いつもと同じ薬を処方してもらうとき、本来は本人が受診しますが、やむを得ない事情で家族が代わって受診しても再診料を算定します。

 

▽医学管理料

 これまで「無診察診療」はルール化されていませんでしたが、昨年4月から一定期間に限り、医師の診察なしで医療を提供できるようになりました。それが「外来リハビリテーション診療料」「外来放射線照射診療料」です。その期間内は、初診料・再診料・外来診療料を算定しないことになっています。

 外来リハビリテーション診療料を算定する条件としては、状態が比較的安定している人で▽疾患別リハビリを1週間に2日以上提供するときは、1週間に69点▽2週間に2日以上のときは、2週間で104点となります。

  外来放射線照射診療料の場合▽1週間で4回以上、放射線治療するときは280点▽3回以下は140点―をそれぞれ算定します。



▽10カ月間に10回の疑義解釈

 診療報酬改定直前の昨年3月30日に、最初の疑義解釈が厚生労働省から医療機関等に通知された後、現在までの10カ月間に出された疑義解釈は10回に上ります。その中で、外来リハビリテーション診療料に限ってみても9個、外来放射線照射診療料では8個の「Q&A」が示されています。

 健康保険に加入している人を診療する保険医は、これらの通知に基づいて診療報酬を請求しますが、複雑なルールは限界に達しています。患者さんの立場に立って簡素化を求めていきたいと思います。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
=第3木曜日掲載=

 

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