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第61回 障がい者の福祉制度(上) ~支援法の改正点 (2014年4月28陸奥新報日掲載)

 障害者自立支援法は2013年4月、障害者総合支援法(以下支援法と略)へと変わり、難病患者も福祉サービスの対象になりました。現在審議中の「難病の患者に対する医療等に関する法律案」が成立すると、医療費助成の対象は56疾患から300疾患へ、対象者は78万人から159万人に増える見込みです。

 

 これから3回にわたって障がいがある人の社会保障について考えたいと思います。今回は支援法で、4月から施行になった改正点を紹介します。

 

■支援法のサービスとは

 障がい者(身体、知的、精神)への支援は、大きく分けて支援法、老人福祉法、介護保険法に基づくものに3分類されます。

 

 支援法によるサービスは主に、介護支援や訓練支援などを受ける「障害福祉サービス」と、市町村が利用者個々の状況に応じて柔軟に対応する「地域生活支援事業」で成り立ちます。

 

 障がい者の心身の状態はこれまで「障害程度区分」で表していました。4月1日からは、「障害支援区分」と名称を変え、コンピューターによる1次判定を見直しました。特に知的障がいと精神障がいの程度が、低く判定されるとの指摘があったからです。

 

 そこで障がいの状態をより正確に反映できるように、認定調査項目を見直し「危険の認識」「読み書き」「集団への不適応」など、行動障害に関する6項目を追加しました=表参照=。さらに重複する14項目を7項目に統合し、25項目を削除し、最終的に106項目が80項目となりました。

 

 

 判断基準も見直され、項目内容ができたりできなかったりする状態を「より頻回な状況」から「できない状況」で判断することになりました。それらにともなって医師の意見書の様式も変わりましたので、不明な点があれば、担当医や市町村にお問い合わせください。

 

■ケアホームとグループホームを統合

 その他に、肢体不自由者が対象だった重度訪問介護が、重度の知的障がい者、精神障がい者にも拡大しました。

 

 また介護の必要性の度合いで分けていたケアホームとグループホームを統合しました。これまでは両ホームの指定がなければ、介護が必要な人とそうでない人を一緒に受け入れられませんでした。

 

 背景には障がいの程度の軽い人が、グループホーム入居後に高齢化や重度化で、介護が必要となるケースが増えていることなどが挙げられます。両事業所の統合で、共同生活上のケアが柔軟にでき、障がい者の地域の受け皿拡大につながることが期待できます。

 

 似たような名称の「ケアハウス」は、身体機能が低下して独立して生活することが不安な?歳以上が対象で、老人福祉法に基づくものです。

 

■生活しづらい約5割

 障がいがある人の「生活のしづらさ」を調べた厚生労働省の全国在宅障害児・者等実態調査(2013年)では、半年の間に生活のしづらさがどの程度生じたかという設問に、頻度を「毎日」と答えた人の割合が年代問わず最も多い結果になりました。特に65歳以上の障害者手帳所有者では、47%が「毎日」と回答しています。

 

 障がいがあっても"あずましく"暮らせる社会を目指し、次回も福祉制度を考えます。

 

(青森市・大竹整形外科院長、県保険医協会会長、県社会保障推進協議会会長)
※「医療ナビ―」は4月から第4月曜日に掲載します

 

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