リハビリ日数制限を考える会リハビリ日数制限を考える会
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サブタイトル: −今も解決していない患者切り捨て−
「菅政権はリハビリ難民問題の抜本解決と日数制限を撤廃し全人的リハビリ医療の再構築を!」求める
主 催: リハビリテーション診療報酬改定を考える会
日 時: 2010年6月8日(火)午後1時から2時
場 所: 衆議院第二議員会館・第3会議室
司 会: 中村寛二(青森県保険医協会事務局長)

挨拶、経過、菅新政権への要望
道免 和久 氏 (リハビリテーション診療報酬改定を考える会)
多田 式江 氏 (リハビリテーション診療報酬改定を考える会代表・多田富雄夫人)
 
患者会からの発言
石川 敏一 氏 (全国脳卒中者友の会連合会)
細見 みゑ 氏 (NPO法人東京高次脳機能障害協議会)
ポリオの会 (関根、稲村、小山さん)
遠藤 氏 (線維筋痛症友の会)
 
臨床現場からの発言
友清直樹 氏 (PT-OT.NET)


東京高次脳機能障害代表・細見=高次脳機能障害は、最近、認知されてきたもの。様々な脳損傷によって引き起こされた後遺障害。体の方は何とか改善したとしても、元には 戻らず、脳の高次機能が失われたりして、渾然一体とした大変難しい障害。高次脳機能障害は、様々な脳の損傷の後遺症がミックスされて、ひとりひとり違う症状が現れるので、 リハビリは180日で切られるととても困る障害。実際にある程度年齢を重ねていると、180日で切られて介護保険の適用にされるが、そうするともっと改善されるはずの方が、その 日その日が暮らせればいいという程度のリハビリの世界に行くので、生きる希望もなくなり、かえって精神的にもストレスを感じて、そちらからおかしくなる方もいる。高次脳機能 障害は総合的な、あらゆる面からのリハビリが必要。特に介護保険リハと医療リハは根本的に違う。脳の損傷による回復には大変に時間がかかる。月ではなく年単位。それを考 えると、このリハビリ日数制限、症例別、など分けてやることは全く違う。総合的なリハビリをやってほしい。特に介護保険と医療リハとの整合性がない。また40歳になると介護保 険が適用になって、自立支援のサービスが受けられなくなったりしてサービスが半減する。社会復帰への希望をもって一所懸命リハビリをしていた人が、生活の自立、社会復帰 の目途も絶たれてしまう。このようなことも考えて全体的なリハビリに制度を考えて頂きたい。

リハビリ日数制限国会内集会
中村=首相交代でお忙しい中、国会議員の皆様にもお越し頂き、ありがとうございます。
 2007年3月10日に、多田富雄東大教授が代表を務めたリハビリ診療報酬改定を考える会が主催した「これからのリハビリを考える市民集会」を開催してから3年が経った。
 この市民集会の影響もあり、同年4月にリハビリ日数制限が緩和されたかのようだが、本質は何も変わっていない。多田先生は集会内で、「これは人権を守る大事な闘いであり 、これを無視したら私たちの人間性が破壊される、命をかけて頑張る」と力強く発言され、日数制限撤廃運動の強弱はあるが現在に至っている。
 残念ながら、多田富雄先生は4月21日に旅立たれたが、その多田先生の発言は国民、患者そして医療関係者も意を一つにする者であり、私達は今日その声を再び伝えようと 同集会を企画した。今日は患者団体そして医療関係者も参加している。その後の日数制限にかかる切実な声を聞いて頂き、国会内でも声を大きくして頂きたい。

道免=兵庫医大のリハビリテーションの専門医です。
 同会の主催は「リハビリテーション診療報酬を考える会」で、代表は今でも多田富雄先生。残念ながら4月にお亡くなりになった。日数制限が撤廃されることを心から願っておられただけに、大変残念に思う。
 亡くなられる10日ほど前にお会いしました時に、国会の厚生労働委員会の中で、長妻大臣が、少なくとも見直しをするかは分からないが、調査が必要であると明言されたことを伝えると、涙ぐんでおられた。それが伝えられただけでもせめても、と思う。
 菅新政権が発足したが、我々としては是非管総理にリハビリテーションの日数制限を撤廃してほしい。06年にリハビリテーションの日数制限が突如始まり、これに対して多田先生が新聞に「リハビリ中止は死の宣告」と書いた。同じような思いの方は全国に沢山おられて、患者・当事者だけでなく、医療関係者、リハビリ専門家もこれはおかしいと、署名活動をはじめた。わずか1ヵ月ほどの間だったが、44万人の署名が集まった。当時の川崎厚労大臣に届けた。診療報酬の問題に対して国民・患者の声がこれほど集まったことは過去になかった。この声に押され平成20年に異例の改定がなされた。
 改定直後に当時野党だった長妻議員が、リハビリ日数制限はおかしいと質問主意書を出された。その後の政権交代だったので、我々としてはそれによって撤廃されると期待していたが、未だ実現には至っていない。
 論点は非常に分かりにくくなっている。06年はリハビリをやっていた方が突然打ち切られることになった。打ち切りに全面に出されていたが、今は制度が複雑怪奇なものになっている。医師が改善すると判断すればなんとかできる、ただ180日は現実として残っている。非常に矛盾した制度になっている。維持のためであって改善しなくても、月に13単位、リハビリが受けられ問題はない。これは最近、長妻大臣はこの通り述べている。もし必要なリハビリが受けられるのであれば、それが医師の判断によって行われるのならば、もともと180日とか150日とかいう数字は要らない。
 しかし、現場の医師は医院経営も厳しい中でやっているので、180日を超えてリハビリを行う場合、レセプトの審査で減額されるのではないかという心理的な圧力があり、抑制がかかり実際には続けられていない。これに対し、そういう制限があっても、医師がやるべきだと厚生労働省が言っている訳だが、現状の医療崩壊の中ではそうした余裕がない。
 「月に4時間のリハビリがあるからそれではいいのではないか」という点だが、入院患者さんが1日20分リハビリをすれば、13日で終わる。残りは何もリハビリができないので、緩和措置で何とかなったかのように見えるが、何もなっていない。日数制限は全面に出されて議論はされたが、影にかくれているが、疾患別リハビリ制度がある。
 リハビリは臓器別、疾患別ではなく全人的に、横に見ていく医療だと言われている。
どの病気に対してリハビリをするというよりは、筋力や歩行に対してリハビリをするのであって、臓器別に分断するのはおかしい。各リハビリテーションの学会も言っている。これによって、現実的には脳血管リハ、運動器リハなど、今やっているリハビリとしては何も変わらないのに、臓器別に分けて考えなければならない矛盾が生じている。
 結局、日数という数字で一つの線引きを行い、まるで一人の人間を微塵切りにするような制度、これが06年に始まった新しいリハビリ診療報酬の制度で、これが今も改善されていない。これに対して強く撤廃を求めたい。
 今回の要望がリハビリ日数制限の撤廃。疾患別リハの廃止。それから回復リハビリテーションに成果主義が導入されていることに対して、これも大きな問題を抱えているので廃止を要望したい。必要な人に必要な医療が提供されるような社会を構築すべく、新政権には求めたい。

多田富雄夫人(式江さん)=多田富雄の家内です。私も20年あまり老人病院で脳梗塞の後遺症をもった患者さんを診てきた。私の働いていたところは、2回、3回の発作の後の患者さんで、もうリハビリをしてもダメだという絶望的な患者さんという状態だった。
 リハビリで幾分でもすると回復してくる様子が分かった。
 主人が倒れて2回目の発作だったこともあって、後遺障害で話すことができなくなった。ある程度のことは訓練すれば出来るが、右手はダメでしょう、STの言葉の訓練は体がしっかりしてきてからではないと、回復は6年、7年をかけないと無理でしょうと言われていた。
 しかし、突然の打ち切りが宣告され5年目で中止になり、もう少しやれば言葉も回復したのではないかと思った。STの数は少ない上、施設も少ないですから自分で諦めたような状況だった。主人は最期までリハビリに対して情熱を持っていたが、癌の方の骨転移が著しく、歩くことの訓練も諦めざるを得なかった。しかし、リハビリの成果主義や臓器別の制限に対しては本当に憤っていた。一段落したのでこの集会に出させて頂いた。

中村=今日はお忙しい中、衆参国会議員の先生方にお越し頂いている。先着順に日数制限に関する思いをご発言頂きたい。

阿部知子衆議院議員=多田先生の遺影を前に、私も実は多田先生の不肖の弟子で、国会にいながら大変申し訳ないと思っている。政権は変わったが、人間がもう一度生き直す、リ・ハビリテージ。これが日本の社会にどう根付いていくのか。実は課題はまだまだだと思う。
 こうした問題は与党、野党ではなく、人間の尊厳の問題に国会がどう答えていくかにあると思う。実は多田先生のご本の中に一番多く名前を書いて頂いたのは私と私どもの党首、福島瑞穂でありました。私どもの国会活動をどのようご覧になっていたと思うと、随分歯がゆい思いでいっぱい。しかし、今日の会をきっかけに皆様と共に飛躍していきたい。

高橋千鶴子衆議院議員=多田先生が朝日新聞に最初に一文を載せたときの衝撃を未だに忘れることはできない。リハビリ問題については私は専門家ではないが、皆さんの声を聞いてこの間何度もやりとりをしてきた。その時、改善すると分かったら使えるんだよと言っていること自体、リハビリのことを何も分かっていないのだろうとか、介護でリハビリが使えるのだからいいんだ、と言っていることも全く分かっていなかったのだろうと思う。
 あの時、48万人の署名が国会に寄せられて一気に流れが変わった、その後は今、変わっていない状態になっている。今日、このような集会が開かれることになって、改めて「まだ解決していないんだ」という声を上げていきたい。

福島みずほ参議院議員=社民党は命を大切にする政治を掲げておりまして、辺野古に基地を作るのは命を大切にする政治ではないとして署名をせず、罷免をされ、国会にパワーアップして戻ってきた。障害者制度改革推進会議を一生懸命やってきて、福祉部会もでき、とりまとめをほぼ作っているので、障害者差別禁止法と障害者総合福祉法、障害者基本法の改正法案をきちんと作っていくという工程表は作ったので、この後もやっていきたい。今日は多田先生のご夫人にお目にかかれて大変光栄。
 多田先生のご自宅に図々しく伺って、リハビリテーションの180日カットのことに関して多田先生に何が問題でどうかというお話をさせてもらった。その時、命のこと、趣味のこと、鶴見さんとの対談、いろんな様々な著書も頂き、拝読もした。
 今日と同じような集会でも何度かリハビリテーションのことをやろうとかなり国会でもががんばって質問したが、まだ決定的に問題の解決には至っていない。必ずリハビリテーションの180日制限撤廃を変えることを多田先生の遺影と皆様にお誓い申し上げたい。

田名部匡代議員=今日、このような勉強させて頂く機会をつくって頂き感謝します。野党時代から、こうした取組に共有する考えを持ちながら取り組んできたが、政権交代を実現させて頂いてから、まだ皆さんの期待には応えられていない。私自身も厚生労働委員の一人として頑張っていかなければという思いを新たにした。
 青森県という地元だから申し上げる訳ではないが、青森県保険医協会は地域から、国の抱える様々な問題に対して真摯に取り組んで頂きまして色々な調査と行って頂いている。それを元に現状がどうなっているのか、私たちにも報告を頂いて居る。このリハビリ日数制限問題も青森県の調査を元に、そして多田先生の45万名の署名がうまくかみ合って大きな運動になったのだと思う。
 機能が「回復をする」ということだけでなく、現状を維持していくことも非常に重要であると地元の方もお話をさせて頂いたとこに、リハビリを受けていることも生きる力に繋がっていると、見捨てないでくれという声を頂いてきた。
 是非とも今日の集会を踏まえて取り組んでいきたい。

中村=国会議員からの発言は一端ここまでとして、次は患者団体から、リハビリ日数制限影響や現状等のご発言を頂きたい。

全国脳卒中者友の会連合会の石川=昨年の集会の時に、私が介護をしていた妻が他界して、急遽会合にも参加して出られなかったが、その後、リハビリが変わったような変わらないような、分かりづらくなってしまった。5年間、妻を介護したが、自分も脳卒中で当事者の気持ちと介護者の気持ち、両方を学ぶことができた。脳卒中は入り口から出口までいろんな問題を抱えていて、脳卒中対策基本法で今日も田中先生がお見えになっているが、出口、リハビリは死ぬまでと言われてやってきたが、私は25年間リハビリをしてきた。しかし、医療リハビリを受けられない、自己流、仲間とやるものだから、25年たって65歳になって介護保険に入れられた。どうなったかというと、今までのサービス、ホームヘルプサービスが3時間から1時間半に減った。何で年をとったら半分になるのか。介護保険は非常に変なもので、リハビリをやることによって、しっかりと自立をして、地域に帰って、大変だけれども頑張って、生活したいというのが当事者の気持ち。私たちは地域で友の会として活動をしているが、まず、病院から退院してくると非常に車いすにのったり、家族にしっかり介護されて、そして参加する。それはしっかりしたリハビリをしないまま地域に放られてしまうから。介護保険という変な網をつくってしまったために、投げ込まれてしまう。
 だから、私も地域ケアプラザの運営委員をしているが、そこのデータを見てびっくりしてしまうのだが、利用者が介護予防も減る。なぜ減るのか。亡くなるから。病院で危なくなったら地域に放り投げてしまう。だから、地域で利用者が減っていく、亡くなってしまう、という実態がある。私たちはグループで体操などを行っているが、初めて参加した人は車いすで来るが、床から立ち上がりすらできない状態でやってくる。とにかく車いすに乗るようになると自宅に送り込まれてしまう。
 こういう中途半端な制度が介護者のために、それはいろんな制度が便利だろうが、当事者は車いすに乗せられて帰っても不便なことこの上ない。これほどリハビリで自立をしたいという気持ちを、全く考えない、それは傍から見れば車いすを押してもらうのはいいかもしれない。おじいちゃん、おじいちゃんなら。
 しかし、40代、50代の人にとっては、非常に残酷。未来がないのだから。楽をしたくない。汗をかいて、自立したい。リハビリをしたい。しかし180日はすぐに過ぎてしまう。致傷から180日といったらどうですか。急性救急で運ばれて、気がついたら180日経っている。何だか分からないが食堂に車いすで運ばれて、食事をさせられて。そしてまだ何だかわけが分からないうちにリハビリが始まって。気がついたら既に後1ヵ月が2ヵ月しかない。どっか病院がないか、家族は探す。どこかやってくれるところ。
 相談があって、団体から情報を得るが、長く続かない。そうしたまだまだ頑張りたいというものをかえって機能を悪くし、運動をしなくなれば、当然免疫力も弱まり、車椅子の人は嚥下障害などを起こして早死にしている。自分で歩ける、その力が免疫力を高める。そういう中で私たちは頑張っている。これはリハビリだけのものではない。これは医療制度全体の問題。それで私たち自立するものが増えて、最初はいろいろお金がかかるかもしれないが、自立、一人のものを自立させるとどれだけ大きなものが帰ってくるかということにもしっかりと計算して、取り組んで欲しい。一歩でも多く歩きたい、頑張りたい、その気持ちを踏みにじらないでほしい。

中村=[私達は汗を流して働きたい。そのためのリハビリは絶対必要]という切実な報告であった。続いて、国会議員のご発言をお願いしたい。

メッセージ

衆議院議員山口=日数制限が出来た理由をもう一度よく考える必要があると思う。医療リハビリという日本の中での位置づけリハビリテージは人生をつくっているとこと。
 医療のリハビリテーション=人生の形みたいになってしまったことが、漫然とリハビリが繰り返されて日数制限が出来上がってしまった。
 そこで、可能性がある方まで排除することになってしまった。或いは、落ちていくのを防ぐことができるのに、そういう方も排除してしまったり。そこの出来た経緯を先ず考えなければいけない。どうやって人生をもう一度つくっていくか。いろんな活動の話があるが、そこをしっかり抑えていかないと、そうされている方は幸せだが、漫然と外来のリハビリテーションにかかっている方は、自分の病を治すことに人生をかけているような状態。そうではなく、もう一度新たな人生を再建していく、支援側に回るリハビリテーションでなければならない。それは、医療を提供するリハビリテーションを提供する専門家が悪かったのだ、正直に言えばそう。
 起き上がれる可能性が、立ち上がれる可能性があったのに、と言われた内容があったが、それは十分なリハビリテーションが提供できていないことに問題がある。先ずはきちんとしたリハビリテーションが提供できること、人生が作れる中で、医療のリハビリテーションの必要性がどれ位なのかを体制を作る必要がある。両方やらなければ、また医療だけの話に戻ってしまうと、人生またリハビリ人生の繰り返し。ここは是非とも考える会は、人生を作るというところまで考えた会になってほしい。
 医療をどうやっていくべきか、そこからあるべき姿が見えてくると思う。必要なものが提供されない。これはおかしいが、あのときバッサリ切ってしまったので、可能性がある方も全部、維持される方も全て駄目にした。そこを踏まえた上で、両輪で考えて頂くと素晴らしいものになっていく。

衆・田中=リハビリ日数制限はやること自体がおかしい。基本は財政中心主義だから人の命をこういうことにすることになってしまった。ここによって、個人差にあって全部物事が違う。そういうことを含めてリハビリ日数制限をただ決めてしまうこと自体が問題だ。
 私は多くの人との出会いがあり、スポーツが好きなので、パラリンピックで活躍している皆さん、あれだけ活躍できるのは初期のリハビリをしっかりしていたからだ。
 私は少なくとも、これから脳卒中問題を解決していくためにしっかり頑張りたい。人の命の大切さをもう一度考え直して、個人にあった医療、個人にあったリハビリを提供していかなければならない。皆さんが二度とない人生を一所懸命に頑張っているわけだから、それを全面的にサポートして行きたい。皆さんのご協力をお願いしたい。

衆・西堀=先ほど、山口議員は理学療法士なのでそちらからのお話があったが、私は脳外科医。どちらかというと、脳卒中を急性期で治療してきて現場にいた。日本のリハビリ、ホスト、ホスピタルの両方を退院した後の日本の医療の介護の部分は非常に遅れてきたところがあると思う。
 だから診療報酬の中で真っ先に切られたのがリハビリの日数制限。そこが一番大事なことだと思う。救急医療ばかり焦点を当てられ、箱物が作られてきたわけだが、後の充実をこれから国をあげてやっていかなければならないと思う。
 みなさんと勉強しながらしっかりとした治療に充実をさせて頂きたい。

小池晃参議院議員=リハビリテーションというのは、あくまで医療行為だ。これは維持期のものでも、基本的には医師の指示の元で行われるものであって、医療行為である。
 介護リハビリ、医療リハビリという言葉があるということ自体おかしい。基本的に医療行為である以上、内容、打ち切りも保険医の医学的な判断によって決定すべきもの、それ以外の要素で機械的に決めていく、これが根本的な今回のやり方の誤り。
 制度は根本的に見直しが必要。日数制限撤廃が必要。これは医療保険全体の大原則にかかわるもの。こういう人の医学的判断以外の基準を持ち込んでいくことがリハビリで行われている。同時に、他の医療行為も次々にこれからやられて行くことになる。
 一定の基準以上のものは保険ではみない、この形が取り入れられていく危険性がある。
 リハビリ日数制限の問題はそれだけの問題ではなく、今後の日本の医療制度のあり方にかかわる重大な問題と考えなければいけない。
 一歩でも歩けるようになりたいとのお話があったように、100人いれば100通りの、医学的にも100通りのパターンがあることを保障するのは公的医療保険だと思う。日数制限撤廃のために皆さんと共にがんばりたい。

中村=今日参加された国会議員の皆さんの中にお医者さん、専門医の方もいて、与野党を問わず、「チームリハビリ日数制限を撤廃」を立ち上げて頂きたい。

東京高次脳機能障害代表・細見=高次脳機能障害は、最近、認知されてきたもの。様々な脳損傷によって引き起こされた後遺障害。体が何とか改善したとしても、元には戻らず、脳の高次機能が失われるのに、渾然一体として大変難しい障害。高次脳機能障害は脳に損傷が及ぶので、様々な脳の損傷の後遺症が,ミックスされてひとりひとり違う症状が現れるので、リハビリは180日で着られるととても困る障害。実際にある程度年齢を重ねていると、180日で切って介護保険の適用にされるが、そうするともっと改善されるはずの方が、毎日暮らせればいいという程度のリハビリの世界に行くので、生きる希望もなくなり、かえって精神的にもストレスを感じて、そちらからおかしくなる方もいる。高次脳機能障害は総合的な、あらゆる面からのリハビリが必要。特に介護保険塗料リハは根本的に違う。脳の損傷による回復は大変に時間がかかる。月ではあなく年単位。それを考えると、このリハビリ日数制限、症例別、など分けてやることは全く違う。総合的に見られるリハビリをやってほしい。特に介護保険と医療リハの整合性がない。また、40歳になると介護保険が適用になって、自立支援のサービスが受けられなくなってサービスが半減する。社会復帰への希望をもって一所懸命リハビリをしていた人が、社会復帰、生活復帰の目途も絶たれてしまう。こうしたことも考えて全体的なリハビリに制度を考えて頂きたい。

ポリオの会・小山=ポリオはリハビリテーションを受けられる疾患名には入っていない。
 進行する神経系疾患、リハビリを受けられるハズなのに。維持ではダメだとは2006年にも言われ、回復しなければいけないというが。死んでしまった筋肉が生き返るのだったら、こんな嬉しいことはない。現実には会員たちは、運動器で5ヵ月、たとえば左足で5ヵ月何とかして、しばらく休んでまた悪くなってくださいを言われている。悪くなったらまた受けられる。今度は手の方で5ヵ月とやっています。はっきり言って、自己負担でやる人が次第に増えている。病院での書類作成が大変だということもある。ポリオの場合、何とか維持することが大変な回復なのだが、それが認められていない。それから疾患別リハだが、呼吸器、心臓血管障害、排泄、すべて含んでいる。それがバラバラで、単に片足だけ、という形のリハでは必要なものは受けられない。先ほど、小池先生がおっしゃったが、健康保険の方で装具を作ると、それを回復するんですかと言われて、却下される例がいくつか生じているようだ。回復するというのはどういうことかというと、実は維持することが大変な回復。どんどん下がっていくことを止めるということはどれほど力がいることか、みなさんに分かって頂きたい。日数制限撤廃と疾患別の撤廃を是非ともお願いしたい。

NPO法人繊維筋通称友の会・遠藤=今日は代表を務める橋本の代理で伺った。橋本も長い間、リハビリを受けていて、今も週に一度リハビリを受けている。最初は激しい痛みのためにトイレにすらいくこともできなかった。しかし、リハビリを開始して徐々に回復して、家の周りを散歩できるようになり、最近ですと、友の会の運営のためではなく、近くに買い物にも行けるようになった。ですからリハビリは本当に生きるために必要だと思う。私自身も6年程カウンセリングを受けていた。
 今日こうしてみなさんの前でお話できる。ただ単に政策的な思惑だけでリハビリ日数に制限を設けるのは、我々にとってささやかな幸せを奪うこと。リハビリは肉体的、精神的機能を回復させるだけではなく、患者にとってはこの期間に病気なり障害なりを受容して、社会復帰或いは新しい目標に向けて人生を歩んでいこうとする重要な時期。これを奪うことは、多田先生もおっしゃっていたように人間性を破壊することになる。ですからリハビリを受けやすい環境を、私も友の会も望んでいるのでいる。今後とも宜しくお願いします。

さんのうリハビリクリニック理学療法士=今日も午前中まで訪問リハビリを行っていた。
 現場では今回の診療報酬改定の影響を受けて、様々な影響が出てきている。
現場の問題点
介護保険との併用禁止の問題点=平成18年の診療報酬改定で日数制限が導入されて、医療・介護の両制度におけるリハビリテーションの役割は、原則として医療保険の改善を主体に介護保険では維持を目的とするものになった。医療保険と介護保険の現場においては、維持期と在宅でのリハビリのすべてを介護保険でまかなうことは困難で、併用が禁止されるような非効率性は甚大だと考えている。医療保険や介護保険を適切に適用しながら、患者個人の状態に最適なリハビリテーションをオーダーメイドで受けられるような環境を最も望ましい姿で、現行制度に柔軟性を持たせることが大切だと常々思っている。医療吠えんで行われる通院リハビリ、患者宅で直接指導する訪問リハビリ、生活の中で移管される通称リハビリテーション、これは個人の目的や形態は様々。状態や目的に応じたサービスができる環境こそが、望まれる。併用禁止される条項では、本来必要とされる包括的なリハビリテーションを断念せざるをえない、折角回復傾向のあった機能が再び低下してしまう事例、より回復が望まれる方に、リハビリが提供できないなどの事例が直面している。

介護保険におけるリハビリテーションの限界
 介護保険におけるリハビリテーションに位置づけられている、通所リハビリテーションを例にすると、そこで利用できるのは退院退所から3ヵ月以内は40分、3ヵ月以降は20分程度の個別リハビリとなっている。
 これは医療保険においては、患者の状態に応じて適宜頻度が調整されるが、介護保険の場合、通所リハビリの場合については、この量が決定されている。患者の状態に応じてリハビリの量が決定できる制度ではないため、障害が思い方、まだまだ回復段階にある方が、この通所リハビリでは、十分なリハビリを受けることが難しい状況になっています。また、今回診療報酬の日数制限が導入され、大きく制限されたのは通院リハだが、それに代わるものとして、厚生労働省は1時間以上2時間未満の短時間のリハビリを創設した。しかし、制度が導入されて1年以上が経過する今、そのサービスはほとんど拡充されていない。医療保険でのリハビリテーションが制限されたことでの受け皿が依然充足していない。これは診療報酬の介護給付費実態調査をしてもらうと、全体の短時間通所は通所リハビリの1%にも満たない状況でしかサービスが提供されていない。このような状況の中では、患者個人の状態に応じてリハビリテーションが必要と感じながらも、現在の制度上、十分なリハビリが提供できない。はがゆい思いだ。

地域リハビリテーションや介護リハビリテーションの報酬が低いことによる現場の疲弊
 平成22年の診療報酬改定では、入院中の急性期、回復期のリハビリは手厚く評価をされた。しかし、運動器のリハビリテーションを見ると、通院のリハビリの診療報酬が引き下げられている。運動器リハビリテーションは医学の進歩もあり、来院日数が急速に短縮され、早期の退院が可能になった。言い換えれば、在宅でのリハビリテーション、通院リハビリテーションの重要性が増したともいえる。こうした状況にもかかわらず、診療報酬の評価は通院リハビリテーションの必要性が反映されていない状況とも言える。

疾患別リハビリテーションの問題
 平成18年の運動器疾患、脳血管疾患、身体血管疾患、呼吸器疾患の疾患別リハビリの日数や報酬が定められた。当然、理学療法士や作業療法士はもちろん、こうした疾患への特性を理解した上でリハビリを行っていますが、リハビリテーションは疾患よりも患者の障害を見た上で行っている。疾患別で区分されたことによる不都合は感じている。

疾患別施設基準の問題
 疾患別により料金が異なることも問題ですが、リハビリを行う施設の免責や配置セラピストの人員等の基準が設定されている。入院患者を収容できるような大きな病院等は施設基準を満たすことはできますが、一方で小規模な病院は施設基準を満たせない。その結果、構造的に小さいリハビリテーション施設が衰退を招く要因となっている。
 今後は急性期、回復期のリハビリテーションの充実とともに、地域のリハビリテーションの  となる診療所等の増加が必要です。在宅生活を支えるきめ細やかなリハビリテーションを提供する場であり、現在の施設基準やセラピストの数のみで報酬が評価されているような施設基準では今後の地域の住民の生活を支えことは難しいと思う。
 現場では当たり前にリハビリが必要な方に当たり前にリハビリを提供できない場挙が発生している。現場の努力では状況を改善するのは当然ですが、現場がどう頑張っても解決できない部分がある。本来、制度は患者のためのものであり、患者から奪うものではない。是非、現状を理解して頂き、今後の改定へ向けてご検討頂きたい。

住江会長=まずはリハビリ日数制限撤廃に向けて、体にムチをうって、命を賭してご尽力頂いた多田先生に感謝しつつ、改めて謹んでご冥福をお祈りいたします。
 今日は集会に参加頂き、ありがとうございます。道面先生からこれまでの経過と問題提起、多田先生の奥様からは熱い想いを語って頂き、そして患者会の石川さん、細見さん、小山さん、遠藤さん、本当にリハビリテーションの本質に迫るご発言を頂きました。そして医療の現場からはPTのともきよさん、本当に現場の切実な問題をご指摘頂きました。この会は、我々医療提供側にとっても、常々、人権保障、受領権保障、そして生存権保障として診療報酬を据えて頂いている。医療提供者の私どもに対しても心強く、勇気づけられる取組。常々感謝したい。今日、この場で様々なことについて学習もし、問題点についても述べて頂いた。この問題点、声を大きく世論に、そして全国会議員に問題点を共有してもらいたいと思う。改めて今日ご参加のみなさん、そして広く世論に、国会議員に取り組んで頂くことを厚くご奮闘をお願いしたく閉会の挨拶としたい。


リハビリ日数制限を考えるページ
 連絡先 青森県保険医協会