2021年 年頭所感
コロナに翻弄されず既存の課題にも意欲的に
青森県保険医協会会長 森 明彦
あけましておめでとうございます。
年頭にあたり、会員の皆様のご健康とご多幸をお祈り申しあげます。
未知のウイルスに世界が翻弄された2020年は、先が見通せないまま幕を閉じました。医療者の懸命な努力と現場の疲弊の声をよそに、日本政府は経済立て直しを重視する姿勢を堅持しています。一方、国民は長引く制約と自粛に疲れたのか慣れたのか、危機意識が摩耗してきた感があります。
事態打開に向けて期待されるワクチン接種が間もなく日本でも始まります。しかし、当面はひとりひとりの基本的予防策は欠かせません。地域医療を守る団体として、県民が予防意識を一層深めてくれるように意識した活動を展開したいと考えます。
◇今こそ「休業保障制度」
会員の皆様に改めて強調したいことがあります。それは、「休業保障制度」による備えを万全にして頂きたいということです。発熱患者等の受診の流れは新しくなりましたが、医療の基本は対面診療です。無症状者は気づくことなく平常の生活を送り、各診療科に来院します。医療業に潜む高い感染リスクは変わることがありません。
実際に感染した場合も、濃厚接触者に該当した場合も、開業医療機関は休業しなければなりません。そして、それはこの先何度も起こりえます。疑い病名であっても、第三者の医師の証明で給付の対象となる制度です。未加入の先生には少しでも早く加入されることを勧めます。
◇課題は全て待ったなし
新たな感染症の脅威で社会の関心事は変化しました。1年前は大きな課題だったものでも、今は忘却の彼方と化したものが数多く見受けられます。しかし、医療・介護・社会保障の問題をそちらへ追いやることは許されません。
後期高齢者の窓口負担増、地域の実情を無視した病院再編統合と慢性的な医師・看護師などの医療従事者不足、病床削減、歯科では抑制されたままの医療費、止まらない金パラ高騰など、挙げればキリがありませんが、喫緊の課題が山積みなのです。
様々な制約がある中での活動が続きます。それでも役員と事務局が知恵を絞り、各部とも皆様に納得いただけるサポートが提供するよう努めてまいります。どうか引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。